誕生石
起源・由来
旧約聖書「出エジプト記」説
旧約聖書「出エジプト記」28章17-21節には、イスラエルの大祭司アロンが身に着ける裁きの胸当てに12個の宝石を配置することが記されている。これらの宝石はイスラエルの12部族を表し、各部族の名前が刻まれていた。第1列はカーネリアン、クリソライト、ベリル、第2列はターコイズ、ラピスラズリ、エメラルド、第3列はジャシンス、アゲート、アメジスト、第4列はトパーズ、オニキス、ジャスパーとされた。
バビロニア占星術説
12種類の宝石が歴史上最初に登場するのはバビロニア帝国の時代とされる。バビロニアで発展した占星術では12の星座が定められ、それぞれに守護石が割り当てられていた。この伝統が後にユダヤ文化に取り入れられ、聖書の記述と結びついて誕生石の概念が形成されたと考えられている。ユダヤの歴史家ヨセフスは紀元1世紀に、アロンの胸当ての12の石と12か月、12星座の関連性を指摘した。
現代の誕生石制度の確立
誕生石を身に着ける習慣は18世紀のポーランドで始まり、ユダヤ商人によって広められたとされる。当初は12種類全ての宝石を所有し、月ごとに身に着ける石を変える習慣だった。現在のように生まれ月の石を身に着ける習慣は16世紀のドイツまたはポーランドで始まった。1912年、アメリカ宝石商組合（現在のJewelers of America）が誕生石を公式に制定し、1952年に改訂を経て現在の基準となった。日本では1958年に全国宝石商組合が独自に珊瑚と翡翠を追加し、2021年には63年ぶりに改訂され10種類の宝石が追加された。
各月の情報
3月
アクアマリン
海の水のような透明感のある青色を持つ3月の誕生石で、勇気と聡明さを象徴する宝石。
珊瑚
海の生命力を宿す有機質の宝石で、魔除けと健康運を象徴する日本独自の3月誕生石。
ブラッドストーン
深緑に血のような赤い斑点を持つ神秘的な石で、勇気と生命力を象徴する3月の誕生石。
アイオライト
菫色の美しい輝きを持つ石で、進むべき道を示し誠実さを象徴する3月の誕生石。
5月
エメラルド
鮮やかな緑色の輝きを持つ世界三大宝石の一つで、幸福と希望を象徴する5月の誕生石。
翡翠
日本の国石にも選ばれた美しい緑色の宝石で、幸運と調和を象徴する5月の誕生石。
6月
真珠
海の宝石として古くから愛される有機質の宝石で、純粋と品格を象徴する6月の誕生石。
ムーンストーン
月の光のような神秘的な輝きを持つ石で、愛情と直感を象徴する6月の誕生石。
アレキサンドライト
光によって色が変わる希少な宝石で、変化と幸運を象徴する6月の誕生石。
7月
ルビー
情熱の赤い炎を宿す7月の誕生石で、勝利と愛情を象徴する宝石の女王。
スフェーン
ダイヤモンドを上回る虹色の輝きを持つ7月の新誕生石で、才能開花を象徴する希少な宝石。
8月
ペリドット
オリーブグリーンの美しい輝きを持つ8月の誕生石で、太陽の石として古代から愛される宝石。
サードニクス
赤褐色と白の美しい縞模様を持つ8月の伝統的な誕生石で、夫婦和合を象徴する宝石。
スピネル
多彩な色彩を持つ8月の新誕生石で、目標達成と活力を象徴する魅力的な宝石。
9月
サファイア
高貴な青色の輝きを持つ9月の誕生石で、誠実と慈愛を象徴する天の宝石。
クンツァイト
優しいライラックピンクの輝きを持つ9月の新誕生石で、無償の愛と純粋さを象徴する愛の石。
10月
オパール
虹色の遊色効果を持つ10月の伝統的な誕生石で、幸運と希望を象徴する神秘的な宝石。
トルマリン
「混合した色の石」と呼ばれる多彩な色彩を持つ10月の誕生石で、希望と友情を象徴する電気石。
11月
トパーズ
友情と誠実さを象徴する11月の伝統的な誕生石で、豊富な色彩と優れた透明感を持つ幸運の宝石。
シトリン
太陽の象徴とされる美しい黄色の11月の誕生石で、商売繁盛と金運をもたらす繁栄の宝石。
12月
ターコイズ
空の色を思わせる美しい青色の12月の伝統的な誕生石で、成功と旅行安全を象徴する神聖な宝石。
タンザナイト
神秘的な青紫色の輝きを持つ12月の新誕生石で、高貴さと冷静さを象徴する稀少な宝石。
ラピスラズリ
深い青色に金色の斑点を持つ12月の伝統的な誕生石で、天を象徴し真実と知恵をもたらす神聖な宝石。
ジルコン
ダイヤモンドのような輝きを持つ12月の新誕生石で、地球最古の鉱物として平和と活力をもたらす宝石。