11月25日

1867年11月25日、スウェーデンの化学者アルフレッド・ノーベルはイギリスでダイナマイトの特許を取得した。 ノーベルはニトログリセリンの不安定さを改良し、珪藻土を安定化剤として用いることで爆発物の安全性を飛躍的に高めた。 ダイナマイトは鉱山採掘や土木工事の現場で革命的な役割を果たし、世界中で広く普及した。 しかし、その強力な破壊力は軍事利用も促進し、後のノーベル自身の遺志形成にも影響を与えた。 発明の商業的成功はノーベル賞基金の原資ともなり、科学技術と人類の関係を問い続ける象徴的エピソードである。

1905年11月25日、出版者で発明家のヒューゴー・ガーンズバックは一般消費者向け無線受信機「テリムコ」を市場に投入した。 この受信機は電池駆動の簡易型無線で、初心者でも扱いやすい設計が特徴だった。 価格は約7ドルで、多くのアマチュア無線愛好家や科学教育現場に普及した。 ガーンズバックの製品は無線通信の大衆化を促進し、後のラジオ放送文化の発展に寄与した。 彼自身は後にSF雑誌の創刊者としても知られ、科学技術の普及に大きな影響を与えた。

1920年11月25日、三菱重工業長崎造船所で日本海軍の長門級戦艦「長門」が竣工しました。 長門は16インチ（410mm）主砲を8門備え、世界最大級の火力を誇った最新鋭戦艦です。 就役後は連合艦隊旗艦として太平洋戦争前夜の日本海軍主力艦隊を指揮する役割を担いました。 設計には高速航行と重装甲を両立させる新技術が導入され、その後の戦艦建造にも大きな影響を与えました。 戦後は原爆実験の標的艦として水没処分されました。

1999年11月25日、ハッブル宇宙望遠鏡（HST）の6基ある姿勢制御用ジャイロスコープのうち4基目が故障しました。 ジャイロスコープは望遠鏡の正確な向きを維持するために不可欠であり、この故障によりHSTは観測能力を大幅に喪失しました。 NASAは緊急対応として残るジャイロの負荷軽減を図りつつ、後の整備ミッションで修理・交換を行う計画を立案しました。 2002年のスペースシャトル・ミッションでは、故障したジャイロを交換して観測機能を完全に回復させました。 同望遠鏡はその後も数々の天文学的発見を続け、現在でも稼働しています。