11月25日の出来事 | calendar.web-standard.org

1034年

スコットランド王マルカム2世が反対派に殺害される。孫のダンカン1世が即位。

スコットランド王マルカム2世が暗殺され、ダンカン1世が王位を継承した。

マルカム2世は長年にわたり諸侯を従えスコットランド統一を推し進めていた。 1034年11月25日、反対派の襲撃により殺害され、その死は王権をめぐる内部抗争の結果とされる。後継者が存在しなかったため、彼の孫であるダンカン1世が幼少で即位した。ダンカン1世の治世は短命であったが、この事件は中世スコットランド王国の権力構造に大きな影響を与えた。王位継承の不安定さがその後の内紛を招く一因となった。

1034年スコットランドマルカム2世ダンカン1世

1120年

ホワイトシップの遭難。イングランド王子ウィリアム・アデリンほか、多数の王族・貴族が死亡。

1120年、イングランド王子ウィリアム・アデリンらを乗せたホワイトシップが遭難し、多くの王族・貴族が命を落とした。

1120年11月25日、イングランド王ヘンリー1世の後継者である王子ウィリアム・アデリンを含む乗客を乗せたホワイトシップがノルマンディー沖で座礁・沈没した。嵐の夜に船体が岩礁に衝突し、多くが溺死、わずかな生存者のみが救助された。王子の死去はヘンリー1世の後継者問題を深刻化させ、翌年から「無政府状態」が累えた内乱（無政府時代）を招いた。政治的混乱はイングランド王位を巡る争いを激化させ、後の統治体制にも大きな影響を及ぼした。海難事故としての面だけでなく、イギリス王室史における転換点として知られる。

1120年ホワイトシップの遭難イングランドウィリアム・アデリン

1177年

モンジザールの戦い。ボードゥアン4世率いるエルサレム王国軍がサラーフッディーン率いるアイユーブ朝軍を破った。

1177年、エルサレム王国とアイユーブ朝の間でモンジザールの戦いが行われ、エルサレム王国軍が勝利した。

1177年11月25日、当時若き王ボードゥアン4世率いるエルサレム王国軍約数千が、サラーフッディーン率いるアイユーブ朝軍を迎撃した。レパードキングとも呼ばれるボードゥアン4世は重症のハンセン病を患いながらも戦場に臨み、数的に大きく劣る軍で圧倒的勝利を収めた。モンジザールの戦いは十字軍国家の士気を高揚させ、サラーフッディーンの中東での影響力拡大を一時的に食い止めた。両軍の戦術や指導者の勇気が評価され、後世における十字軍史でも重要な戦闘として位置づけられている。この勝利はエルサレム王国の存続に大きく寄与したが、根本的な勢力均衡は後に再び崩れることとなった。

1177年モンジザールの戦いボードゥアン4世エルサレム王国サラーフッディーンアイユーブ朝

天文23年11月1日

尼子晴久が尼子国久、誠久親子ら新宮党幹部を粛清。

1554年、戦国大名の尼子晴久が家臣団の新宮党幹部を粛清した。

1554年11月25日（天文23年11月1日）、出雲国を治めた尼子晴久は内部抗争の鎮圧を狙い、新宮党の有力者尼子国久とその子誠久らを粛清した。これにより尼子氏内部の権力構造が一変し、晴久の領国支配体制が強固になった。粛清は晴久が若年ながらも領国統治の安定を追求した結果とされる。一方で、領民や他の家臣からは反発を招き、尼子氏の内紛を深刻化させる要因ともなった。この事件は戦国時代の大名の領国統治と内部統制の難しさを象徴する出来事である。

1554年天文 11月1日尼子晴久尼子国久誠久新宮党

1795年

第三次ポーランド分割: ポーランド王スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキが強制的に退位させられ、ロシアへ亡命。

1795年、ポーランド王スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキが第三次ポーランド分割により退位し、ロシアに亡命した。

1795年11月25日、ロシア・プロイセン・オーストリアによる第三次ポーランド分割の結果、スタニスワフ2世アウグスト・ポニャトフスキは王位を奪われた。ポーランド・リトアニア共和国は歴史上初の共和国の形態を失い、三国間で領土が完全に分割された。王はロシア帝国に強制的に退位させられ、サンクトペテルブルクへ亡命した。この分割によってポーランドは1795年以降123年間にわたり国家として消滅することになり、「ポーランド消失」と称されるようになった。ナショナリズムの高まりと祖国回復運動は19世紀を通じて続き、この出来事はその歴史的原点とされる。

1795年第三次ポーランド分割スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキ

1851年

北アメリカ初のYMCAが、カナダのモントリオールで開設される。

1851年、北アメリカ初のYMCAがカナダ・モントリオールで開設された。

1851年11月25日、イギリス・ロンドンで誕生したYMCA（キリスト教青年会）の最初の北アメリカ支部がモントリオールで開設された。 YMCAは青少年に対するキリスト教教育とレクリエーション提供を目的としており、スポーツや社会奉仕活動を通じて地域社会に大きな影響を与えた。その後、北米各地へ加盟支部が拡大し、国際的な青少年支援団体として成長していった。モントリオール支部の成功はYMCAの普及を加速させ、今日の世界的ネットワークの基礎を築いた。教育・福祉・スポーツを融合した先進的な社会運動として評価されている。

1851年カナダモントリオール

1867年

アルフレッド・ノーベルがダイナマイトの特許を取得。

1867年、アルフレッド・ノーベルがダイナマイトの特許を取得した。

1867年11月25日、スウェーデンの化学者アルフレッド・ノーベルはイギリスでダイナマイトの特許を取得した。ノーベルはニトログリセリンの不安定さを改良し、珪藻土を安定化剤として用いることで爆発物の安全性を飛躍的に高めた。ダイナマイトは鉱山採掘や土木工事の現場で革命的な役割を果たし、世界中で広く普及した。しかし、その強力な破壊力は軍事利用も促進し、後のノーベル自身の遺志形成にも影響を与えた。発明の商業的成功はノーベル賞基金の原資ともなり、科学技術と人類の関係を問い続ける象徴的エピソードである。

1867年アルフレッド・ノーベルダイナマイト

1876年

福澤諭吉の『学問のすゝめ』最終刊・第17篇が刊行。

1876年、福澤諭吉の著作『学問のすゝめ』最終刊が刊行された。

1876年11月25日、明治時代の啓蒙思想家福澤諭吉は『学問のすゝめ』第17篇を刊行し、全シリーズの完結を迎えた。同書は西洋的合理主義と独立自尊の精神を説き、日本社会の近代化を後押しする教科書的役割を果たした。発表当初から広く読まれ、学者や実業家、政治家など多くの階層に影響を与えた。『学問のすゝめ』は日本における自由・平等・実学の価値観を広め、教育改革の原動力となった。その思想は現代においても福澤の名を冠した大学創設など、教育界に大きな足跡を残している。

1876年福澤諭吉学問のすゝめ

1892年

パリのソルボンヌ大学での講演で、ピエール・ド・クーベルタンがオリンピックの復活を提唱。

1892年、ソルボンヌ大学の講演でピエール・ド・クーベルタンがオリンピック復活を提唱した。

1892年11月25日、フランスの教育者ピエール・ド・クーベルタンはパリ・ソルボンヌ大学で「オリンピックの復活」を主題とした講演を行った。彼は近代スポーツを通じた国際親善の重要性を説き、古代ギリシャのオリンピック精神を現代社会に蘇らせる構想を示した。この提案が契機となり、1894年に国際オリンピック委員会（IOC）が設立され、1896年アテネ大会の開催が決定された。クーベルタンのビジョンはスポーツの国際交流を促進し、五輪という普遍的なフィールドを生み出した。オリンピック復活のアイデアはその後の国際スポーツ大会の在り方に多大な影響を与えた。

1892年ソルボンヌ大学ピエール・ド・クーベルタンオリンピック

1905年

ヒューゴー・ガーンズバックが世界初の大衆無線機テリムコを発売。

1905年、ヒューゴー・ガーンズバックが世界初の大衆向け無線機「テリムコ」を発売した。

1905年11月25日、出版者で発明家のヒューゴー・ガーンズバックは一般消費者向け無線受信機「テリムコ」を市場に投入した。この受信機は電池駆動の簡易型無線で、初心者でも扱いやすい設計が特徴だった。価格は約7ドルで、多くのアマチュア無線愛好家や科学教育現場に普及した。ガーンズバックの製品は無線通信の大衆化を促進し、後のラジオ放送文化の発展に寄与した。彼自身は後にSF雑誌の創刊者としても知られ、科学技術の普及に大きな影響を与えた。

1905年ヒューゴー・ガーンズバックテリムコ

1920年

日本海軍の戦艦「長門」が竣工。

日本海軍の最新鋭戦艦「長門」が1920年11月25日に竣工し、世界最大級の火力を備えて就役を迎えました。

1920年11月25日、三菱重工業長崎造船所で日本海軍の長門級戦艦「長門」が竣工しました。長門は16インチ（410mm）主砲を8門備え、世界最大級の火力を誇った最新鋭戦艦です。就役後は連合艦隊旗艦として太平洋戦争前夜の日本海軍主力艦隊を指揮する役割を担いました。設計には高速航行と重装甲を両立させる新技術が導入され、その後の戦艦建造にも大きな影響を与えました。戦後は原爆実験の標的艦として水没処分されました。

1920年日本海軍長門

1921年

皇太子裕仁親王（後の昭和天皇）が摂政に就任。

皇太子裕仁親王が大正天皇の病気療養に伴い、1921年11月25日に初めて摂政に就任しました。

1921年11月25日、大正天皇の病気療養に伴い、皇太子裕仁親王が初めて摂政に就任しました。摂政は天皇の職務を代行する制度で、親王は公式行為を執り行う権限を得ました。この就任は明治以降では極めて稀な措置で、皇室制度の柔軟性を示した事例とされています。就任後、親王は外交・宮中行事・国事行為などに携わり、皇室の安定と象徴機能の維持に貢献しました。その後、昭和天皇として長期にわたり在位し、日本の戦前・戦後を通じて重要な役割を果たしました。

1921年昭和天皇摂政