1954年

欧州原子核研究機構(CERN)が発足。

欧州原子核研究機構(CERN)は1954年に設立され、ヨーロッパ諸国が協力して素粒子物理学を研究する国際機関です。
第二次世界大戦後の冷戦期に科学協力を促進するため、12カ国が集まりスイス・ジュネーブに設立されました。世界最大級の加速器を建設し、素粒子の研究や医学、情報技術への応用を目指しています。CERNではヒッグス粒子の発見をはじめ、多くの重要な成果が生まれ、国際的な研究ネットワークの中核となっています。現在も加盟国が費用を分担しつつ研究を継続しています。
1954年 欧州原子核研究機構
1962年

カナダ初の国産実験衛星「アルーエット1」が打ち上げ。

カナダ初の国産実験衛星『アルーエット1』が打ち上げられ、宇宙開発分野への参入を果たしました。
1962年9月29日、NASAのスカウトロケットで打ち上げられたアルーエット1は、カナダ初の人工衛星です。主に電離層研究を目的とした観測機器を搭載し、数年間にわたりデータを収集しました。この成功によりカナダはNASAと共同研究を進める宇宙国家としての地位を確立しました。後の衛星プロジェクトや技術開発に弾みをつけ、衛星通信技術の発展にも貢献しました。アルーエット計画はカナダ宇宙庁の基盤を築く契機ともなりました。
1962年 カナダ アルーエット1
1988年

1986年のチャレンジャー号爆発事故以来凍結されていたスペースシャトル計画が、STS 26の「ディスカバリー」の打ち上げで再開される。

チャレンジャー号事故後に凍結されていたNASAのスペースシャトル計画が、STS-26ディスカバリー号の打ち上げで再開された。
1986年1月のチャレンジャー号爆発事故を受け、NASAはスペースシャトルの飛行を一時停止。 安全性見直しと改修が行われた後、約2年半ぶりにSTS-26「ディスカバリー」が打ち上げられた。 1988年9月29日の打ち上げは成功し、機体は異常なく軌道投入に成功した。 これによりスペースシャトル計画は再開され、20世紀末の宇宙開発が再び動き出した。 乗組員は経験豊富な宇宙飛行士で構成され、ミッションでは通信実験や地球観測を実施。
1988年 1986年 チャレンジャー号爆発事故 スペースシャトル STS-26 ディスカバリー
1990年

ステルス戦闘機YF 22が初飛行。

ステルス技術を採用した試作戦闘機YF-22が初飛行を行った。
YF-22はアメリカ空軍の次世代戦闘機開発プログラム(ATF)の一環として開発された試作機である。 1990年9月29日、ジョージア州のロッキードマーティン工場で初飛行を実施。 高度なステルス性能と機動性を両立させた機体設計が特徴で、その性能はプログラム内で高く評価された。 ライバル機のYF-23と激しい競争を繰り広げ、最終的にYF-22が採用されることとなる。 YF-22は後にF-22ラプターとして量産配備され、現代の制空権戦闘機の基礎となった。
1990年 YF-22
2004年

定期的に地球の近くを通る小惑星トータティスが、地球から155万kmまで接近する。

小惑星トータティスが地球に約155万kmまで接近し、レーダー観測などでその軌道と形状が詳しく解析されました。
小惑星トータティス(4179 Toutatis)は地球近傍天体のひとつで、大きさは最大約4.5kmに達する不規則形の小天体です。2004年9月29日、地球から約155万kmまで接近し、天文学者はレーダーや光学望遠鏡による詳細観測を行いました。これによりトータティスの自転状態や表面構造、軌道微調整のデータが得られ、将来の地球衝突リスク評価に貴重な情報がもたらされました。近年では小惑星探査のモデルケースとされ、後続の探査機ミッションにも影響を与えています。この観測成果は近地球天体研究の進展に寄与し、宇宙安全保障における監視体制強化の契機となりました。
2004年 小惑星 トータティス
2004年

スペースシップワンが民間宇宙船開発に対する賞金制度「Ansari X Prize」の受賞条件を最も早く達成する。

スペースシップワンがAnsari X Prizeの受賞条件を史上最速で達成し、民間宇宙開発の新時代を切り開きました。
Ansari X Prizeは年間予算100万ドル以下で有人宇宙飛行を二度にわたって行う競技賞で、民間宇宙開発を促進する目的で設定されました。2004年9月29日、開発チームScaled Compositesが製造した宇宙船スペースシップワンが高度100kmを越える飛行を達成し、最速で条件をクリアしました。パイロットのマイク・メラは、2度の飛行をわずか1週間で成功させ、民間所有の宇宙船による有人飛行の実現性を証明しました。この功績はNASAなど政府主導の宇宙開発に依存しない新しい産業の可能性を示し、複数の民間企業や新興スタートアップを刺激しました。その後のスペースXやヴァージン・ギャラクティックなどの企業による宇宙ビジネス展開に大きな影響を与えました。
Ansari X Prize
2007年

セラフィールドにあるコールダーホール原子力発電所の4つの冷却塔が爆破解体される。

イギリス・セラフィールドのコールダーホール原発冷却塔4基が爆破解体により撤去されました。
コールダーホール原子力発電所は1956年に稼働開始した世界初の商業用原発であり、1973年に運転を終了しました。2007年9月29日、4基の冷却塔が安全性を確保した上で爆破解体され、長年にわたる解体作業の一環が進められました。冷却塔撤去は廃炉プロジェクトの重要工程で、放射性物質の管理や周辺環境への影響を最小限に抑えるため入念な計画が実施されました。解体作業には専門チームが関与し、近隣住民や環境保護団体との協議を経て安全対策が徹底されました。本作業後も建屋や設備の撤去、除染作業が続けられ、セラフィールドサイトの将来的な再利用に向けた取り組みが進行中です。
セラフィールド コールダーホール原子力発電所