サガギク (嵯峨菊)

学名: Chrysanthemum grandiflorum cv. Saga
科名: キク科

花言葉

  • フェミニン
  • 高潔

特徴

花色:

説明

嵯峨菊は、ヒゴギク、イセギクとともに古典菊の三大品種の一つとされる伝統的な菊です。京都嵯峨野の大覚寺で、嵯峨天皇の時代に大沢池の菊ヶ島に自生していた野菊が起源とされています。直径3cmほどの花の周りに長さ10cmほどの糸のように細い管状の花弁をたくさん付けるのが特徴で、優雅で繊細な美しさから女性らしさやフェミニンという花言葉を持ちます。一鉢に3本を2mの高さに仕立て、「七五三作り」として頂上3輪、中央5輪、下7輪の配置にするのが伝統的な管理方法です。

豆知識

  • 嵯峨天皇(786-842年)の時代から愛され続けている1200年以上の歴史を持つ
  • 華道嵯峨御流の基本花材として「七五三作り」という独特の仕立て方がある
  • 江戸時代に花開いた古典園芸文化の代表的品種の一つ
  • 現在も京都大覚寺で毎年古典菊展が開催されている

利用方法

観賞用
  • 古典菊展示会での鑑賞用
  • 茶花として茶道で使用
  • 庭園での観賞用植栽
薬用
  • 一般的な薬用効果は特になし

注意: 特別な注意事項なし

食用

食用には適さない

その他
  • 華道嵯峨御流での花材
  • 文化財としての保存・継承

毒性

症状: 毒性なし

ピレスラム (除虫菊)

学名: Tanacetum cinerariifolium
科名: キク科

花言葉

  • 忍ぶ恋

特徴

花色:

説明

ピレスラム(除虫菊)は、地中海沿岸地域および中央アジア原産のキク科の多年草です。花に含まれるピレトリンという殺虫成分により、蚊取り線香や殺虫剤の原料として利用されています。5月から7月頃に直径4-7.5cmの白い花を咲かせ、庭植えや鉢植えで楽しめます。日本には1886年(明治19年)に導入され、和歌山県で本格的な栽培が始まりました。花言葉の「忍ぶ恋」は、夜間に蚊取り線香として使用される際の、静かな夜の密会を連想させることに由来します。

豆知識

  • 日本の蚊取り線香産業の父・上山英一郎がアメリカから種子を取り寄せて栽培を始めた
  • 戦前の日本は世界最大のピレトリン生産国だった
  • 大日本除虫菊(金鳥)の創業のきっかけとなった植物
  • 現在でも天然ピレトリンは合成ピレスロイドの原型として重要

利用方法

観賞用
  • 切り花として花束に使用
  • 庭園での境界植えや花壇
  • 鉢植えでの観賞用
薬用
  • 外用殺虫剤としての効果
  • 天然の虫除け効果

注意: アレルギー反応を起こす場合があるため注意が必要

食用

食用には適さない(毒性あり)

その他
  • 蚊取り線香の原料
  • 天然殺虫剤の製造
  • 有機農業での害虫防除

毒性

毒性レベル: 弱い

有毒部位: 花, 茎, 葉

症状: 皮膚接触によるアレルギー反応、呼吸器への刺激

マンジュシャゲ (曼珠沙華)

学名: Lycoris radiata
科名: ヒガンバナ科

花言葉

  • 悲しい思い出
  • 情熱
  • 再会
  • あきらめ

特徴

花色:

説明

マンジュシャゲ(曼珠沙華)は、中国大陸原産のヒガンバナ科の多年草で、日本では史前帰化植物として分類されています。9月の秋分の日頃、突然に花茎を伸ばして鮮やかな赤い花を咲かせることから「彼岸花」と呼ばれます。花と葉が同時に出ることがなく、花が終わってから葉が出る特殊な性質を持ちます。仏典に由来する「曼珠沙華」という名前は、サンスクリット語で「赤い花」を意味します。秋分の日やお彼岸の時期に咲くことから、先祖供養や墓参りと深く結びつき、日本の秋の風物詩となっています。全草に毒性があり、特に球根部分の毒性が強いため、墓地に植えられることで土葬の遺体をモグラなどから守る役割も果たしていました。

豆知識

  • 1000以上の別名を持つ花として知られ、地域により様々な呼び名がある
  • 花と葉が同時に見られないことから「葉見ず花見ず」とも呼ばれる
  • 韓国では「サンチョ(상사화)」と呼ばれ、恋人同士が会えない花として親しまれる
  • 群生地では9月下旬に真っ赤な絨毯のような絶景を楽しめる

利用方法

観賞用
  • 墓地や霊園での植栽
  • 田んぼの畦道での景観形成
  • 秋の庭園での観賞用
薬用
  • 民間療法での外用薬(毒性のため非推奨)

注意: 全草に毒性があるため医療用途での使用は危険

食用

有毒植物のため食用不可(球根は特に危険)

その他
  • 土壌侵食防止(田んぼの畦道)
  • 害獣除けとしての役割
  • 文学や芸術作品のモチーフ

毒性

毒性レベル: 強い

有毒部位: 球根, 花, 茎, 葉

症状: 嘔吐、下痢、中枢神経麻痺。球根の誤食は特に危険

イチイ (一位)

学名: Taxus cuspidata
科名: イチイ科

花言葉

  • 悲哀
  • 高尚

特徴

花色:

説明

イチイ(一位)は、イチイ科イチイ属の常緑針葉樹で、日本固有種として北海道から九州まで広く分布しています。3-4月に薄いクリーム色の小さな花を咲かせ、9-10月に赤い実をつけます。雌雄異株で、果肉は食べられますが、それ以外の部分には毒性があります。和名の「イチイ」は、この木から作られた笏を神官が使用し、仁徳天皇がこの樹に正一位を授けたことに由来するとされています。成長が非常に遅く寿命が長いため、イギリスでは墓地に植えられることが多く、そこから「死」「悲哀」という花言葉が生まれました。一方で、高位の官が使う笏の材料となったことから「高尚」という花言葉も持ちます。庭木や盆栽として人気があり、特に北海道では「オンコ」の名で親しまれています。

豆知識

  • 北海道では「オンコ」と呼ばれ、道民に愛される郷土の木
  • イチイの木で作られた弓は古代から高く評価されていた
  • ヨーロッパイチイは樹齢数千年に達する個体も存在する
  • 盆栽界では「イチイ」は上級者向けの樹種として知られる

利用方法

観賞用
  • 庭木としての植栽
  • 盆栽での鑑賞
  • 生垣としての利用
薬用
  • 民間療法での限定的使用(毒性のため非推奨)

注意: 果肉以外は有毒のため医療用途での使用は危険

食用
  • 果肉(種子は除く)
その他
  • 高級木材としての利用
  • 笏や工芸品の材料
  • 建築材としての使用

毒性

毒性レベル: 強い

有毒部位: 葉, 樹皮, 枝, 種子

症状: 嘔吐、下痢、呼吸困難、心停止。特に種子の毒性が強い