08月29日の出来事 - 社会・暮らし

1911年

ヤヒ族インディアンの最後の一人・イシが先祖伝来の土地を離れ人里に現れる。

1911年8月29日、最後のヤヒ族であるイシが先祖の土地を離れ、人里に姿を現した。

カリフォルニアのヤヒ族は米国政府や他部族の侵略により大幅に人口を減少させていた。イシは孤立した生活を続けていたが、この日、狩猟の末に保護を求めて人里に出現した。彼の出現はアメリカ先住民研究の重要な契機となり、バークレー大学博物館の人類学者らと交流を持った。イシは自身の言語や文化を研究者に伝え、ヤヒ族の最後の生き証人として記録された。この出来事は先住民族研究および文化保全の重要性を浮き彫りにした。

1911年ヤヒインディアンイシ

1911年

東京朝日新聞が「野球と其害毒」連載を開始、9月22日まで22回に渡って野球に対するネガティブ・キャンペーンを展開する。

1911年8月29日、東京朝日新聞が野球批判連載「野球と其害毒」を開始し、9月22日まで全22回で展開した。

当時の日本では西洋文化として野球が普及し始めたが、その急速な広がりに批判的な論調も存在していた。東京朝日新聞はこの連載で野球を『害毒』と称し、学生の不品行や乱痴気騒ぎを指摘した。執筆者は野球の危険性や社会への影響を強調し、スポーツに対するネガティブキャンペーンを行った。一方で連載は読者の関心を集め、批判的意見だけでなく野球愛好者からの反論も巻き起こした。この一連の報道はメディアがスポーツを巡る世論形成に大きな影響力を持つことを示した。

東京朝日新聞野球と其害毒 9月22日野球ネガティブ・キャンペーン

1996年

薬害エイズ事件: 東京地検刑事部が帝京大学副学長の安部英を逮捕。

1996年、薬害エイズ事件で帝京大学副学長の安部英が逮捕されました。

薬害エイズ事件は不適切な血液製剤により多数の患者がHIVに感染した社会問題です。この日、東京地検刑事部は責任者として帝京大学副学長の安部英を逮捕しました。捜査では血液製剤の製造過程や行政対応の不備が追及され、国民の医薬品への信頼が揺らぎました。事件は長年にわたり損害賠償や刑事訴追を巡る論争を引き起こし、医薬品安全管理の重要性を改めて浮き彫りにしました。被害者支援や製薬会社の責任追及は、その後の薬事制度改革にも影響を与えました。

1996年薬害エイズ事件東京地検帝京大学安部英

1997年

家永教科書裁判終結。

教科書検定を巡る家永教科書裁判が最終的に終結しました。

家永教科書裁判は歴史学者の家永三郎氏が自著教科書の検定意見を不服として政府を訴えた事件です。 1965年の提訴以来、検定制度と学問の自由をめぐる論争が続き、裁判は長期化しました。この日、最高裁で最終判断が示され、教科書検定の透明性と表現の自由に関する議論に区切りがつきました。訴訟を通じて教育現場や社会における歴史認識のあり方が再検討され、後の教科書改訂にも影響を与えました。裁判の終結は、学術と行政の関係性を再考する重要な契機となりました。

1997年家永教科書裁判