クロユリ (黒百合)
学名:
Fritillaria camschatcensis
科名:
ユリ科
説明
クロユリは高山帯の草地に生える高さ10~20センチほどの多年草で、6~8月に直径3センチほどの黒い花を咲かせます。学名はFritillaria camschatcensisで、ユリ科バイモ属に分類されます。花は独特の強い香りを持ち、虫(主にハエ)を呼び寄せて受粉を行います。アイヌの伝説では、好きな人の側にクロユリを置いて相手が気づいてその花を取ると二人は結ばれるという言い伝えがあり、恋愛に関する花言葉が多く付けられています。一方で、戦国時代の佐々成政の黒百合伝説では復讐の象徴ともされています。
豆知識
- 富山県の県花として親しまれ、立山黒部アルペンルートの象徴でもある
- 花の香りは人によっては悪臭と感じられるほど強烈
- アイヌ語では「フレップ」と呼ばれ、赤い花を意味する(実際は黒い花だが)
- 佐々成政の伝説により「復讐の花」とも呼ばれるが、アイヌ文化では「愛の花」
利用方法
観賞用
- 高山植物園での展示
- 山野草愛好家のコレクション
- 特殊な切り花として茶道の花材
薬用
- アイヌ民族の伝統医学で咳止めに使用
- 民間療法で解熱剤として利用されることがある
注意:
有毒成分を含むため、自己判断での使用は危険
その他
- アイヌの恋愛のお守りとして使用
- 高山植物の研究材料
毒性
毒性レベル:
中程度
有毒部位:
球根, 全草
症状:
アルカロイドを含み、摂取により吐き気、嘔吐、下痢などの中毒症状を起こす可能性がある
ゲッカビジン (月下美人)
学名:
Epiphyllum oxypetalum
科名:
サボテン科
花言葉
-
ただ一度だけ会いたくて
-
儚い美
-
儚い恋
-
あでやかな美人
-
秘めた情熱
説明
ゲッカビジンはメキシコの熱帯雨林原産のサボテン科の常緑多肉植物で、6~11月の夜間にのみ花を咲かせる一夜花性の植物です。直径20~25センチの大きな白い花は夕方から芳香を漂わせ始め、夜8時頃から咲き始めて翌朝3~4時頃にはしぼんでしまいます。ジャスミンに似た上品で甘い香りが特徴的で、この幻想的な開花の様子から「月下美人」という美しい名前が付けられました。昆布状の扁平な葉状茎を持ち、1~2メートルほどに成長します。
豆知識
- 一年に1~2回しか咲かず、開花を見ることは非常に幸運とされる
- 花の香りは半径100メートル以上まで届くといわれる
- 台湾では「曇花一現」(一瞬の美しさ)という成語の由来
- NASAが宇宙ステーションでの栽培実験を行ったことがある
利用方法
観賞用
- 室内観葉植物として人気
- 温室での展示栽培
- 一夜限りの開花鑑賞イベント
薬用
- 中国の伝統医学で咳止めや肺の症状改善に使用
- 花を乾燥させて薬茶として利用
注意:
医学的効果は科学的に証明されておらず、使用前に専門家への相談が必要
その他
- 香水やアロマオイルの原料
- 園芸愛好家のコレクション植物
- 写真撮影の被写体として人気
毒性
症状:
特に毒性は報告されていないが、サボテン科植物として樹液に注意