1945年

インフレの進行により初めて千円紙幣を発行。肖像は日本武尊。

1945年8月17日、インフレ対策として初の千円紙幣が発行され、日本武尊が肖像に採用されました。
第二次世界大戦終結直後の日本では急激なインフレが進行していました。これを抑制するため1945年8月17日、政府は改正不換紙幣として初めて千円紙幣(1次千円)を発行しました。紙幣には古代の英雄・日本武尊の肖像が描かれ、国家の再建を象徴するとともに信頼回復を図る意図が込められていました。しかし戦後の物価上昇は激しく、紙幣の発行だけではインフレ抑制には不十分でした。その後も高額紙幣の改版が繰り返され、最終的には1946年に新円切り替えが実施されました。
千円紙幣 日本武尊
1945年

改正不換紙幣100円(3次100円)が発行。肖像は聖徳太子。

1945年8月17日、改正不換紙幣3次100円券が発行され、聖徳太子の肖像が採用されました。
戦後の混乱期における物価安定策の一環として、1945年8月17日に改正不換紙幣3次100円が発行されました。100円券は聖徳太子の肖像が採用され、国内外への信認回復を図る狙いがありました。紙幣には近代的な偽造防止技術も導入され品質向上が図られました。しかし継続するインフレの前には不十分であり、同時期の高額紙幣発行とあわせて通貨体制は混乱を極めました。その後の新円切り替えにより旧券は逐次回収されて市場から姿を消しました。
聖徳太子
1945年

再改正不換紙幣10円(4次10円)が発行。肖像は和気清麻呂。

1945年8月17日、再改正不換紙幣4次10円券が発行され、和気清麻呂の肖像が採用されました。
インフレ対策の一環として、1945年8月17日に再改正不換紙幣4次10円券が発行されました。券面には奈良時代の名宰相・和気清麻呂が描かれ、国家の安定と伝統への回帰を象徴しました。10円券には耐久性の高い紙素材と偽造防止用の透かしが導入され、前シリーズからの改良が図られました。しかし急速な物価上昇に伴い日常取引においても紙幣の需要は追いつかず通貨価値の信頼性は揺らぎました。その後、1946年の新円切り替えによって旧紙幣は回収され短期間の流通を終えました。
和気清麻呂