08月12日の命日 - 科学者・研究者

康煕34年7月3日

黄宗羲

(1610 - 1695)

儒学者

明末清初の儒学者・思想家で、儒学の伝統を批判的に見直し、新たな政治思想を提唱した。代表作『明儒学案』で知られる。

1610年に浙江省紹興で生まれ、明王朝崩壊後の混乱期を生き抜いた。国家の専制を批判し、地方自治や民権思想を提唱した。代表作『明儒学案』では諸家の学説を整理し、儒学史を体系化した。また史学者として『日本外交伝』を著し、日本との交流史を記録。その合理的・批判的な思考は後の中国近代化運動に大きな影響を与えた。

1695年康煕 7月3日黄宗羲儒学者 1610年

1848年

ジョージ・スチーブンソン

(1781 - 1848)

蒸気機関車の発明者

イギリスの技術者で、蒸気機関車の実用化に成功し『鉄道の父』と呼ばれた。

1781年にイングランド北部で生まれ、鉱山で機械保守に携わり技術を磨いた。1814年に蒸気機関車『ブラウン・ベイ』を製作し、1825年にはリバプール・マンチェスター鉄道に『ロコモーション』を導入した。標準軌の採用やレール・車輪の改良を推進し、安全で効率的な鉄道運行を実現した。その功績から『鉄道の父』と称され、鉄道網の急速な拡大を支えた。1848年に没後も、鉄道技術の基礎を築いた存在として広く記憶されている。

1848年ジョージ・スチーブンソン蒸気機関車 1781年

1849年

アルバート・ギャラティン

(1761 - 1849)

民族学者、言語学者、政治家

民族学者言語学者政治家

スイス生まれの民族学者・言語学者で、インディアン研究と合衆国財務長官としての政治活動で知られる。

1761年に現在のスイス・ジュネーヴで生まれ、青年期にアメリカへ移住した。アメリカインディアンの言語・文化研究を行い、民族学的視点から体系的に記録した。1801年から1814年まで第4代合衆国財務長官を務め、国家財政の整備と債務管理に尽力した。ルイジアナ買収の資金調達を担当し、政府の財政基盤強化に貢献した。退任後は教育機関の設立支援にも携わり、多方面で業績を残した。1849年にニューヨークで没し、その博識と行政手腕は後世に引き継がれている。

1849年アルバート・ギャラティン民族学者言語学者政治家 1761年

1857年

ウィリアム・ダニエル・コニベア

(1787 - 1857)

司祭、地質学者、古生物学者

司祭地質学者古生物学者

イギリスの聖職者であり、地質学と古生物学の分野で活躍した人物。

ウィリアム・ダニエル・コニベアは1787年に生まれ、英国聖公会の司祭として活動するとともに地質学と古生物学に貢献した学者です。1822年に発表した『イングランドとウェールズの地質概要』では地層の分布を体系化し、ジュラ紀の地層や魚竜類の化石研究で名を馳せました。イギリス地質学会設立メンバーとして調査活動や学術交流を推進し、多くの標本収集を指揮しました。学術書や論文も数多く執筆し、後進に大きな影響を与えました。1857年の逝去まで幅広い分野で業績を残しました。

1857年ウィリアム・ダニエル・コニベア 1787年

1865年

ウィリアム・ジャクソン・フッカー

(1785 - 1865)

植物学者、植物画家

植物学者植物画家

イギリスの植物学者・植物画家。ロイヤル・ボタニック・ガーデン・キューの初代園長を務めた人物。

ウィリアム・ジャクソン・フッカーは1785年に生まれ、植物学の研究と精緻な植物画で知られた学者です。1841年にロイヤル・ボタニック・ガーデン・キューの初代園長に就任し、世界各地から標本を収集してコレクションを拡充しました。著作『英国産植物図譜』などで植物分類学の基礎を築き、学術的な価値が高い図版を多数残しました。園内の温室や温帯植物区などを整備し、キュー園の発展に多大な貢献を果たしました。1865年に逝去するまで、その業績は今日まで評価されています。

1865年ウィリアム・ジャクソン・フッカー 1785年

1900年

ジェイムズ・エドワード・キーラー

(1857 - 1900)

天文学者

アメリカの天文学者。土星の環研究で名を残した科学者。

ジェイムズ・エドワード・キーラーは1857年に生まれ、リック天文台やケント州立天文台で観測を行った研究者です。特に土星の環のスペクトル分析で成果を挙げ、後に「キーラーギャップ」と呼ばれる環の隙間発見に関与しました。新星や銀河の観測にも取り組み、多数の論文を発表しました。望遠鏡技術の改良にも貢献し、20世紀初頭の天文学の発展を支えました。1900年に逝去しました。

ジェイムズ・エドワード・キーラー天文学者 1857年

1901年

アドルフ・エリク・ノルデンショルド

(1832 - 1901)

探検家

スウェーデンの探検家・地質学者。北東航路を初めて航行した人物。

アドルフ・エリク・ノルデンショルドは1832年に生まれ、1878年から1879年にかけてベーガ号探検で北東航路の初航を成し遂げました。フィンランド出身ながらスウェーデン政府の支援を受け、極地探検を通じて航路地図作成に貢献しました。地質学者として北極圏の地質調査を行い、学術論文を発表しました。後年は博物館の学芸員として標本収集と展示に携わり、博物学の普及にも尽力しました。1901年に逝去しました。

1901年アドルフ・エリク・ノルデンショルド探検家 1832年

1955年

ジェームズ・サムナー

(1887 - 1955)

化学者

アメリカの化学者で、酵素の結晶化に成功し、ノーベル化学賞を受賞した。

ジェームズ・サムナーは1887年にニューヨーク州で生まれ、ハーバード大学で化学を学んだ。1926年にウレアーゼの結晶化に成功し、酵素がタンパク質であることを実証した。1946年にジョン・H・ノースロップらとともにノーベル化学賞を受賞し、バイオ化学の発展に貢献した。晩年はワシントン大学の教授として後進の育成に尽力し、1955年に逝去した。その研究は酵素化学の基礎を築いた。

ジェームズ・サムナー化学者 1887年

1959年

ラファエル・レムキン

(1900 - 1959)

弁護士、用語ジェノサイドの作成者

弁護士用語ジェノサイドの作成者

ポーランド出身の弁護士で、「ジェノサイド」という用語を提唱した。国際法の発展に大きく寄与した人物。

1900年にオーストリア領ポーランドで生まれる。第二次世界大戦中に大規模虐殺の法的定義を模索。 1944年に「ジェノサイド」を定義し、国連ジェノサイド条約の成立に尽力。戦後、人道犯罪防止のため各国で講演や執筆活動を展開。 1959年にストックホルムで没。

1959年ラファエル・レムキン英語版ジェノサイド 1900年

1973年

ウォルター・ルドルフ・ヘス

(1881 - 1973)

生理学者

スイスの生理学者で、1949年にノーベル生理学・医学賞を受賞。

1881年にスイスで生まれる。視床下部の領域で神経機能を研究し、生理学に革新をもたらす。 1949年に「視床下部の機能的組織学的研究」でノーベル賞を受賞。多くの後進研究者を育成し、生理学の発展に貢献。 1973年に没。

1973年ウォルター・ルドルフ・ヘス生理学者 1881年

1977年

蒲生礼一

(1901 - 1977)

イスラム学者、東京外国語大学名誉教授

イスラム学者東京外国語大学名誉教授

東京外国語大学の名誉教授として、イスラム文化の研究と教育に生涯を捧げた日本のイスラム学者。

1901年に生まれ、日本のイスラム研究の先駆者となった蒲生礼一は、東京外国語大学で長年教育と研究を行いました。ムスリム世界の歴史や文化を広く紹介し、数多くの論文や翻訳を手がけました。戦後の国際交流にも寄与し、多くの留学生を指導しました。その功績から大学名誉教授に叙せられました。1977年に惜しまれつつ逝去しました。

蒲生礼一東京外国語大学 1901年

1979年

エルンスト・ボリス・チェーン

(1906 - 1979)

生化学者

ペニシリンの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した生化学者。

1906年にドイツで生まれたエルンスト・ボリス・チェーンは、アレクサンダー・フレミングのペニシリン研究を発展させ、精製と臨床応用を確立しました。1945年にはフレミングらと共にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。戦後はイギリスに戻り、キングス・カレッジ・ロンドンで教鞭をとりながら生化学研究を続けました。多くの論文を通じて抗生物質の発展に寄与し、後進の研究者育成にも尽力しました。1979年に逝去し、その業績は現在も高く評価されています。

1979年エルンスト・ボリス・チェーン生化学者 1906年