カノコユリ (鹿の子百合)

学名: Lilium speciosum
科名: ユリ科

花言葉

  • 格調
  • 荘厳
  • 慈悲深い

特徴

花色:

説明

カノコユリは南西日本から台湾にかけての山地や崖地に自生する日本特産のユリです。白地に紅色の斑点が鹿の子絞りのようについていることからこの名が付けられました。7-9月に約10cmの花を下向きに咲かせ、花弁がそり返るのが特徴です。江戸時代にシーボルトによって初めてヨーロッパに紹介された歴史ある花で、学名の種小名speciosumは「美しい」という意味のラテン語に由来します。

豆知識

  • シーボルトが持ち帰った日本の植物の中でも特に有名で、ヨーロッパの園芸界に大きな影響を与えた
  • 別名「ドヨウユリ」「タナバタユリ」とも呼ばれ、夏の季語として俳句にも詠まれる
  • 現在でも野生個体数は少なく、絶滅危惧種として保護されている地域もある
  • 江戸時代には既に園芸植物として栽培され、多くの品種が作出されていた

利用方法

観賞用
  • 切り花として夏の茶席や華道に利用される
  • 庭園植物として山野草の庭に植えられる
  • 鉢植えで観賞用として栽培される
薬用
  • 球根は漢方薬として咳止めや解熱に使用される
  • 消炎作用があるとされ民間療法で利用される

注意: 自己判断での薬用使用は避け、専門家に相談すること

食用

食用には適さない

その他
  • 香水の原料として利用される
  • 園芸品種の交配親として重要

毒性

毒性レベル: 弱い

有毒部位: 全草, 特に球根

症状: 大量摂取により胃腸症状を起こす可能性がある

メコノプシス

学名: Meconopsis betonicifolia
科名: ケシ科

花言葉

  • 底知れぬ魅力をたたえた

特徴

花色:

説明

メコノプシスは「ヒマラヤの青いケシ」として知られる幻の花で、初夏に透き通った青い花を咲かせます。高山植物のため高温多湿を嫌い、栽培が極めて困難な花です。多くのプラントハンターがこの花を求めてヒマラヤを探検し、園芸界でも「青い花の聖杯」と呼ばれています。属名のメコノプシスはギリシャ語で「ケシに似た」という意味で、約50種がヒマラヤから中央アジアにかけて分布しています。

豆知識

  • 1900年の大阪万博で日本に初めて紹介され、「青い花の奇跡」として話題になった
  • 栽培には28℃以下の気温が必要で、日本の夏には適応できない
  • 種子から開花まで3-4年かかり、一度咲くと株は枯死することが多い
  • 世界中の植物園で栽培挑戦が続けられているが、成功例は限られている

利用方法

観賞用
  • 高山植物園での観賞用栽培
  • 冷涼な気候の庭園での希少種として栽培
  • 植物愛好家のコレクション用植物
薬用
  • チベット医学で頭痛や高山病の治療に使用される
  • 民間療法で鎮痛作用があるとされる

注意: ケシ科植物のため取り扱いには注意が必要、専門家の指導が必要

食用

食用には適さない

その他
  • 植物研究の対象として重要
  • 高山植物の適応メカニズム研究に利用

毒性

毒性レベル: 中程度

有毒部位: 全草, 特に種子

症状: ケシ科植物のため摂取により中毒症状を起こす可能性がある

パイナップルリリー

学名: Eucomis autumnalis
科名: アスパラガス科

花言葉

  • 完璧
  • 完全

特徴

花色:

説明

パイナップルリリー(ユーコミス)は南アフリカ原産の球根植物で、7-8月に花茎を立ち上げ、下から順に開花します。花穂の頂部についた苞葉がパイナップルの冠のように見えることからこの名前がつきました。ユーコミスの名前はギリシャ語で「きれいな髪の毛(髪飾り)」を意味し、この苞葉の様子に由来します。花色は淡い黄色、緑、白、ピンクなど豊富で、性質は極めて強健で栽培が容易です。明治末期に日本に渡来し、現在では夏の切り花としても人気があります。

豆知識

  • 花持ちが非常に良く、切り花として2-3週間楽しむことができる
  • 球根は数年間植えっぱなしでも毎年開花する強健さを持つ
  • 南アフリカには約14種の原種があり、それぞれ異なる特徴を持つ
  • 日本では戦前から栽培されている春植え球根の代表的な種類

利用方法

観賞用
  • 夏の切り花として生け花や花束に利用
  • 庭園の夏花壇に植えられる
  • 鉢植えでベランダガーデンに適している
薬用
  • 南アフリカの伝統医学で消化器系の治療に使用
  • 民間療法で解熱作用があるとされる

注意: 薬用使用は専門家の指導の下で行うこと

食用

食用には適さない

その他
  • ドライフラワーとして長期保存可能
  • 園芸品種の育成に重要な原種

毒性

毒性レベル: 弱い

有毒部位: 球根, 葉

症状: 摂取により軽度の胃腸症状を起こす可能性がある

オイランソウ (花魁草)

学名: Phlox paniculata
科名: ハナシノブ科

花言葉

  • 合意
  • 一致
  • 協調

特徴

花色:

説明

オイランソウ(フロックス)は北アメリカ原産の宿根草で、小さな花が集まって大きな花房を作ります。4-10月の長期間にわたって咲き続け、花色はピンク、白、赤、紫、複色など非常に豊富です。属名のphloxはギリシア語の「炎」が語源で、炎のように明るく鮮やかな花色に由来します。和名の「オイランソウ」は華やかに咲く様子が花魁の姿に似ていることから、「クサキョウチクトウ」は同時期に咲く夾竹桃に似ていることからつけられました。丈夫な性質で年々大株になり、夏の暑さにも負けずに開花し続けます。

豆知識

  • アメリカでは独立記念日(7月4日)の花として親しまれ、赤白青の品種が人気
  • 蝶やハチドリが好む花として野生動物の庭づくりに欠かせない植物
  • うどんこ病にかかりやすいが、近年は病気に強い品種が多数開発されている
  • 切り花として水揚げが良く、夏の花束の定番として重宝される

利用方法

観賞用
  • 夏の庭園の主役として植栽される
  • 切り花として花束やアレンジメントに利用
  • 鉢植えでベランダや玄関の装飾に使用
薬用
  • アメリカ先住民により皮膚炎の治療に使用された
  • 民間療法で消炎作用があるとされる

注意: 現在は薬用としての使用は推奨されない

食用

食用には適さない

その他
  • 蝶や蜂などの益虫を誘引する植物として利用
  • 香りのある品種は香水の原料として使用される

毒性

症状: 特に毒性は報告されていない