07月20日の出来事 - 戦争・紛争 | calendar.web-standard.org

911年

ロロがシャルトルを包囲。

911年7月20日、ノルマン人の首長ロロがシャルトルを包囲しました。フランス王国に対するヴァイキングの襲撃の一幕です。

911年7月、ヴァイキングのリーダー・ロロはノルマン人部隊を率いてシャルトルを包囲しました。当時、フランス王国の混乱を狙った襲撃であり、住民は教会や城壁に立てこもって抵抗しました。包囲戦は数日間続いたものの、決定的な攻撃には至らずロロ軍は撤退しました。この出来事は後にノルマンディー公国成立への交渉を裏付ける前兆ともなりました。結果的にロロはフランス王シャルル3世と和解し、のちにノルマンディー公に叙せられます。ヨーロッパ史におけるヴァイキング時代の重要なエピソードです。

911年ロロシャルトル

1402年

アンカラの戦い。

オスマン帝国とティムール朝がアンカラで衝突し、バヤジット1世が捕らえられました。帝国の危機を招いた歴史的な戦いです。

1402年7月20日、ティムール（タメルラン）率いるティムール朝軍とオスマン帝国はアンカラ郊外で対峙しました。オスマン皇帝バヤジット1世は大軍を指揮しましたが、巧妙な戦術に敗れ戦死者・捕虜が相次ぎました。バヤジット1世自身も捕らえられ、ティムール朝への人質とされました。この敗北によりオスマン帝国内部は「兄弟間争い（オスマン皇子間の内戦）」に突入し、一時的に勢力が分裂しました。帝国内で数年にわたる混乱（オスマン内乱、帝国の危機）が続きます。その後、メフメト1世が復興を果たすまでオスマンは衰退を強いられました。アンカラの戦いはオスマン帝国史における転換点とされています。

1402年アンカラの戦い

1656年

北方戦争: ワルシャワの戦いが終結。

1656年7月20日、北方戦争中のワルシャワの戦いが終結しました。ポーランド・リトアニア連合とスウェーデン軍の激戦が幕を閉じました。

北方戦争（1655－1660年）の一環として行われたワルシャワの戦いは、1656年7月にピークを迎えました。この戦いではスウェーデン王カールX・グスタフ率いるスウェーデン軍が首都ワルシャワ付近でポーランド・リトアニア連合軍と激突しました。戦闘は数日にわたり、火線が市街地まで広がる激戦となりました。最終的にスウェーデン側の優勢が確立し、連合軍は退却を余儀なくされます。この勝利によりスウェーデンは戦局を有利に進め、ポーランド王国への圧力を一層高めました。

1656年北方戦争ワルシャワの戦い

1864年

南北戦争: ピーチツリークリークの戦い。

1864年7月20日、南北戦争中のピーチツリークリークの戦いがジョージア州アトランタ郊外で行われました。北軍と南軍が激突し、南軍が防衛に成功しました。

アトランタ攻略を目指す北軍ウィリアム・シャーマン将軍と、これを迎え撃つジョン・ベル・フッドの南軍との戦いが繰り広げられました。 1864年7月20日、アトランタ北西のピーチツリークリークで両軍は激突します。南軍は巧妙な伏兵戦術を用いて北軍を奇襲し、北軍は一時後退を余儀なくされました。しかし北軍の大軍はすぐに再編成し、最終的にはアトランタ包囲を継続しました。この戦闘で両軍合わせて数千の死傷者が出る激戦となりました。ピーチツリークリークの戦いはアトランタ作戦の重要な前哨戦と位置づけられています。

1864年南北戦争ピーチツリークリークの戦い

1866年

普墺戦争: リッサ海戦。

1866年7月20日、普墺戦争の海戦としてリッサ海戦が行われ、オーストリア海軍が勝利しました。鉄甲艦同士の衝突で初期の近代海戦となりました。

1866年7月20日、普墺戦争（第三次イタリア独立戦争）の海上版ともいわれるリッサ海戦がイタリアのリッサ島沖で発生しました。オーストリア帝国海軍のヴィルヘルム・フォン・テゲトホフ提督とイタリア王国海軍のカルロ・ペルサーノ提督が対峙。両軍は鉄甲艦を中心に艦隊を編成し、激しい砲撃戦を展開しました。巧みな艦隊戦術を用いたオーストリア海軍がイタリア艦隊を打ち破り、多数の拿捕艦を挙げました。この海戦は近代海戦の先駆けとされ、装甲艦と船団戦術の有効性を示しました。イタリア統一運動への影響は限定的でしたが、オーストリア海軍の威信を高める結果となりました。

1866年普墺戦争リッサ海戦

1906年

ロシア帝国海軍の一等巡洋艦「パーミャチ・アゾーヴァ」で水兵らによる叛乱が発生（現地で使用していたユリウス暦）。ロシア帝国・バルト艦隊で初めての叛乱事件。

ロシア帝国海軍巡洋艦「パーミャチ・アゾーヴァ」で水兵の反乱が発生。

1906年7月20日、ロシア帝国海軍の一等巡洋艦パーミャチ・アゾーヴァにおいて水兵らが反乱を起こしました。当時、バルト艦隊を中心に士気の低下や待遇改善を求める動きが高まっており、この反乱は海軍内の不満を象徴する事件となりました。鎮圧には陸軍の支援が必要となり、多数の逮捕者が出ました。この出来事はロシア海軍初の艦内反乱事件として歴史に残り、後の1905年ロシア革命や第一次世界大戦前夜の社会不安を示す一端とも言われています。

ロシア帝国海軍一等巡洋艦パーミャチ・アゾーヴァユリウス暦ロシア帝国バルト艦隊

1944年

第二次世界大戦: クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐らを首謀者とするヒトラー暗殺未遂事件が発生（7月20日事件）。

ドイツ軍内の反ヒトラー勢力による暗殺未遂「7月20日事件」が発生しました。

第二次世界大戦の後期、クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐らはヒトラー暗殺を図る計画を練り、1944年7月20日にベルリン近郊の会議室に爆弾を仕掛けました。爆発により数名が負傷するものの、ヒトラーは生存。この失敗を受け、関与者は即座に逮捕され、裁判を経ずに処刑されました。この事件はドイツ抵抗運動の象徴として位置づけられ、戦後のドイツ民主化に影響を与えた重要な歴史的転換点となりました。

1944年第二次世界大戦クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐ヒトラー暗殺未遂事件 7月20日事件

1945年

第二次世界大戦・太平洋戦争・日本への原子爆弾投下: アメリカ軍がパンプキン爆弾による原子爆弾投下訓練を開始。

アメリカ軍が原子爆弾投下訓練の一環としてパンプキン爆弾による模擬投下を開始しました。

1945年、太平洋戦争末期のアメリカ陸軍航空軍は広島・長崎への原子爆弾投下に備え、実戦に近い訓練を実施しました。7月20日からはパンプキン爆弾と呼ばれる実弾サイズの模擬爆弾を用い、B-29爆撃機乗組員が投下技術や航法を確認。爆弾の空力特性や爆発効果を測定する目的もあり、乗組員の熟練度向上に大きく寄与しました。この訓練で得られたデータは、その後の原子爆弾投下作戦に生かされました。

1945年太平洋戦争日本への原子爆弾投下アメリカ軍パンプキン爆弾原子爆弾

1967年

文化大革命: 湖北省武漢市で群衆が毛沢東らが滞在する宿舎などを包囲、これを切っ掛けとして市内各所で武力衝突が激化（武漢事件）。

1967年7月20日、文化大革命下の武漢市で群衆が武力衝突を激化させた武漢事件が発生しました。

1967年7月20日、中国の文化大革命期に湖北省武漢市で毛沢東や中央指導者が滞在する宿舎が群衆に包囲されました。これに端を発して武漢市内では赤衛兵や造反派と保守派の間で武力衝突が激化し、数日間にわたって騒乱状態が続きました。武漢事件は文化大革命の局地的激化として知られ、中央政府の統制力が一時的に麻痺した象徴的な事件です。毛沢東は事態の収拾を図るため介入し、最終的には両派の代表を招いて和解を仲介しました。この事件は文化大革命の混乱と中央権力の揺らぎを示す重要な転換点となりました。

1967年文化大革命湖北省武漢市毛沢東武漢事件

1973年

ドバイ日航機ハイジャック事件。日本赤軍とパレスチナ解放人民戦線の混成部隊がパリ発羽田行きの日本航空機をハイジャック。

1973年7月20日、ドバイ発羽田行きの日本航空機が日本赤軍らによってハイジャックされました。

1973年7月20日、パレスチナ解放人民戦線と日本赤軍のメンバーがパリ発羽田行きの日本航空機をドバイ付近でハイジャックしました。乗客と乗員は中東の各拠点へ移送され、政府要人への要求が行われました。人質の解放やテロリストの罪状審理を巡り、日欧中東間で複数国が関与する複雑な国際的交渉が展開されました。最終的には人質に大きな被害は出なかったものの、日本や関係国のテロ対策や航空機の安全管理の見直しを促しました。本事件は日本赤軍の国際的活動を象徴する事件として記憶されています。

1973年ドバイ日航機ハイジャック事件日本赤軍パレスチナ解放人民戦線日本航空ハイジャック

1974年

キプロス紛争: ギリシャ方によるクーデターの後初めてトルコ軍がキプロス領海内へ侵入し、爆撃を開始。国連安保理は即時停戦を決議。

1974年7月20日、キプロス紛争でトルコ軍がキプロス領海へ侵入し爆撃を開始しました。

1974年7月20日、キプロス紛争の最中、ギリシャ側によるクーデターの後、トルコ軍がキプロス領海へ侵入し空爆と砲撃を開始しました。トルコは地中海の要衝であるキプロス島北部を「ギリシャ系住民の弾圧」の救援と位置づけて介入しました。国際社会は即時停戦を求め、国連安全保障理事会は同日に停戦決議を採択しました。しかし現場では衝突が継続し、後に島は南北に分断された状態が長く続くことになります。この事件はキプロス問題の深刻化と東地中海地域の緊張を象徴する事態となりました。

1974年キプロス紛争ギリシャトルコキプロス国連安保理

1987年

国連安保理がイラン・イラク戦争の即時停戦を決議（598号決議）。

国連安全保障理事会がイラン・イラク戦争の即時停戦を求める決議第598号を採択しました。

1987年7月20日、国連安全保障理事会はイラン・イラク戦争に関する決議598号を採択し、即時停戦を求めました。この決議は国連加盟国の多数の支持を得て可決され、両国に停戦交渉の開始を促しました。当時8年目に入っていた両国の紛争は大規模な人的・物的被害をもたらしており、国際社会の停戦要請が高まっていました。その後、1988年8月に停戦が実施され、武力衝突は終息に向かいました。決議598号は戦後の和平プロセスにおいて重要な役割を果たし、中東地域の安定化に寄与しました。

1987年イラン・イラク戦争 598号決議