アジサイ (紫陽花)
学名:
Hydrangea macrophylla
科名:
アジサイ科
説明
アジサイは日本原産の落葉低木で、6月から7月の梅雨時期に白、青、紫、ピンクの美しい花を咲かせます。土壌の酸性度によって花色が変化するという特徴があり、酸性土壌では青系、アルカリ性土壌では赤系の花が咲きます。江戸時代にヨーロッパに渡り、品種改良されたセイヨウアジサイが現在多く栽培されています。日本の梅雨を代表する花として親しまれています。
豆知識
- 土壌のpHによって花色が変わるのは、アルミニウムイオンの吸収量の違いによるもの
- ヨーロッパから逆輸入されたセイヨウアジサイの方が日本では一般的
- アジサイの名前は「集真藍(あづさあい)」が語源とされている
- 鎌倉の明月院のアジサイは「明月院ブルー」として有名
利用方法
観賞用
- 庭園の主要な観賞植物
- 切り花として室内装飾
- 生垣や境界植栽
- 鉢植えでの楽しみ
薬用
- 漢方医学では根や葉が解熱や利尿に使用された
- 民間療法では腎臓病の治療に利用されることがあった
注意:
現在は有毒植物として扱われており、医療目的での使用は危険
毒性
毒性レベル:
中程度
有毒部位:
葉, 芽, 根
症状:
吐き気、めまい、顔面紅潮、呼吸困難などの症状。2008年に料理の飾りで使用された葉で中毒事故が発生
ムラサキツユクサ (紫露草)
学名:
Tradescantia ohiensis
科名:
ツユクサ科
説明
ムラサキツユクサは北アメリカ東部原産の多年草で、6月から9月にかけて青紫色の美しい三弁花を咲かせます。花は朝に開いて夕方には閉じる一日花で、毎日新しい花が次々と咲き続けます。日本では明治時代に観賞用として導入され、現在では庭園や花壇で広く栽培されています。耐寒性があり丈夫で育てやすく、自然に群生する様子が美しい植物です。
豆知識
- 細胞の毛が透明で、生物学の授業で細胞分裂の観察によく使われる
- 花の開閉は温度と光に敏感で、曇りの日は花が開かないことがある
- 名前の「ツユクサ」は朝露と関係があり、早朝の美しさを表現している
- NASA の宇宙実験でも細胞分裂の研究材料として使用されたことがある
利用方法
観賞用
- 庭園の下草として
- 自然風の花壇での群植
- 日陰地での地被植物
- 切り花(短時間の観賞用)
薬用
- ネイティブアメリカンの伝統医学では虫刺されの治療に使用された
- 民間療法では外傷の湿布として利用された
注意:
現代医学では薬効は確認されておらず、皮膚に刺激を与える場合があるため注意が必要
その他
- 生物学の実験材料として細胞分裂の観察に使用
- 染料として青紫色の色素を抽出可能
毒性
毒性レベル:
弱い
有毒部位:
茎, 葉
症状:
皮膚に刺激を与える場合があり、敏感な人では軽度の皮膚炎を起こす可能性がある
カーネーション
学名:
Dianthus caryophyllus
科名:
ナデシコ科
説明
カーネーションは地中海沿岸原産のナデシコ科の多年草で、甘いクローブのような香りと美しいフリル状の花弁が特徴的です。5月から6月にかけて開花し、特に母の日の花として世界中で親しまれています。現在では多くの品種が開発され、色彩豊かで花持ちが良いことから、切り花として非常に人気があります。
豆知識
- アメリカのアナ・ジャービスが母の日にカーネーションを贈ったことから、母の日の花として定着した
- 学名の「Dianthus」は「神の花」という意味のギリシャ語
- コロンビアでは年間約20億本のカーネーションが生産されている
- オハイオ州では1904年から州花に指定されている
利用方法
観賞用
- 切り花として最も人気の高い花の一つ
- 花束やアレンジメント
- ブートニエールやコサージュ
- 庭園での観賞用
薬用
- ヨーロッパの民間療法では神経系の鎮静に使用された
- 香りによるリラックス効果
注意:
現代医学では薬効は確認されておらず、医療目的での使用は推奨されない
その他
- 香水や化粧品の香料原料
- 精油の抽出
- ドライフラワーとしての利用
毒性
毒性レベル:
弱い
有毒部位:
茎, 葉
症状:
大量摂取により軽度の胃腸障害を起こす可能性があるが、花弁は一般的に安全