05月20日の出来事 - 科学・技術 | calendar.web-standard.org

1570年

アブラハム・オルテリウスが世界初の近代的地図「Theatrum Orbis Terrarum」を発刊。

アブラハム・オルテリウスが世界初の近代的地図帳『Theatrum Orbis Terrarum』を刊行しました。

1570年5月20日、フランドルの地理学者アブラハム・オルテリウスはアントウェルペンで『Theatrum Orbis Terrarum』を発刊しました。この書籍は統一された縮尺と装飾的な地図枠を持つ初の近代的地図帳とされます。全20葉の地図に加え、各地域の解説文を掲載し、一般向けの地理知識普及に寄与しました。オルテリウスの仕事は後世の地図製作者に大きな影響を与え、地図帳の商業的成功をもたらしました。同書は以後数十年間にわたり改訂と増補を重ね、世界各地の発見情報を反映し続けました。

1570年アブラハム・オルテリウス地図

1875年

パリでメートル条約が締結。

パリでメートル条約（国際計量単位系）が締結され、計量の国際標準化が始まりました。

1875年5月20日、フランス・パリで米欧を中心とする17か国がメートル条約に署名しました。この条約は計量単位の統一と国際的な標準化を目的として、国際度量衡局（BIPM）の設立を定めました。参加国はそれぞれ標準メートル原器とキログラム原器を相互に交換・保管する取り組みを開始しました。これにより工業製品の品質管理や科学研究の信頼性が飛躍的に向上しました。メートル条約は現在まで改訂を重ねながら、世界共通の計量基盤として機能し続けています。

1875年パリメートル条約

1891年

トーマス・エジソンが発明した映画を観る装置キネトスコープが初めて公開される。

1891年、エジソンが開発したキネトスコープが初公開され、動く映像技術の幕開けとなりました。

1891年5月20日、発明家トーマス・エジソンとその助手ウィリアム・ケネディ・ローリー・ディクソンが開発したキネトスコープがニューヨークで初めて公開されました。キネトスコープはフィルムを回転させる内部照明を備えた単眼式の映像観覧装置で、一度に一人のみが覗き込んで映画を鑑賞できる仕組みでした。この装置は約45秒間の短い映像を映し出し、映写機とは異なる方式ながら動く映像の可能性を示しました。キネトスコープの公開は商業映画の夜明けとされ、その後の映写機開発や映画館の誕生に大きな影響を与えました。エジソン社はアメリカ各地に観覧ブースを設置し、一般消費者に新たな娯楽体験を提供しました。

1891年トーマス・エジソン映画キネトスコープ

1927年

チャールズ・リンドバーグが史上初の大西洋横断飛行のためスピリット・オブ・セントルイス号に乗りニューヨークを出発。翌日パリに到着。

チャールズ・リンドバーグがスピリット・オブ・セントルイス号で世界初の大西洋横断単独飛行に成功しました。

1927年5月20日、リンドバーグはスピリット・オブ・セントルイス号でニューヨークを離陸しました。約33時間の単独飛行を経て、翌5月21日にパリに到着し、史上初の大西洋横断飛行を達成しました。この偉業は航空技術の発展を象徴し、世界中で大きな反響を呼びました。リンドバーグの挑戦は民間航空の可能性を広げ、人々に飛行の夢を抱かせました。帰国後は英雄として称えられ、記念碑的な存在となりました。

1927年チャールズ・リンドバーグ大西洋横断飛行スピリット・オブ・セントルイス号

1932年

アメリア・イアハートが女性として初めての大西洋単独横断飛行のため、ロッキードベガに乗りニューファンドランドを出発。翌日アイルランドに到着。

アメリア・イアハートが女性として初めて大西洋を単独横断し、歴史に名を刻みました。

1932年5月20日、イアハートはロッキードベガでニューファンドランドを離陸しました。約15時間の飛行後、翌日アイルランドのカリックフェナで無事着陸し、女性初の単独横断飛行を達成しました。当時の航空技術と装備の制約の中で、彼女の挑戦は世界中で注目を集めました。イアハートの活躍は女性の社会進出に勇気を与え、多くの女性飛行士を志望者を生み出しました。彼女は以後も記録的な飛行を重ね、航空界のアイコンとなりました。

1932年アメリア・イアハートロッキードベガニューファンドランドアイルランド

1956年

アメリカ合衆国がビキニ環礁で初めての水爆投下実験。（レッドウィング作戦）

アメリカがビキニ環礁で初の水爆投下実験（レッドウィング作戦）を実施した。

1956年5月20日、アメリカ合衆国はマーシャル諸島のビキニ環礁でレッドウィング作戦の一環として初の水素爆弾投下実験を行った。この実験は爆撃機による空中投下による水爆実験としては初の試みだった。爆発規模は推定で数メガトン級に達し、広範囲にわたる放射能汚染が生じた。地元住民への影響や環境破壊が問題視され、人権と環境保護に関する議論を巻き起こした。冷戦下の核実験競争における一大イベントとして、核兵器開発史に残る重要な出来事である。

1956年ビキニ環礁水爆レッドウィング作戦

2008年

シンガポール航空により、世界最大の旅客機エアバスA380が、日本（シンガポール成田）に初めて乗り入れる。

世界最大の旅客機エアバスA380が成田空港に初飛来し、航空輸送の新時代を象徴した日。

2008年5月20日、シンガポール航空の運航により、総2階建てで最大853席を誇るエアバスA380が成田空港に初めて乗り入れた。A380は燃費効率や騒音低減技術を導入し、長距離路線での大型旅客輸送を革新した機体である。シンガポール—成田路線での運航開始は、アジアと欧米を結ぶ国際ハブ空港としての成田の地位を強化した。訪日外国人の増加に対応し、空港インフラと旅客輸送の両面で新たな可能性を示した。航空業界における大型機導入の先駆けとして大きな注目を集めた。

2008年シンガポール航空エアバスA380 シンガポール成田

2019年

国際単位系（SI）の新定義の発効に伴い、国際キログラム原器の重量に基づくキログラムの定義が廃止される。

SI基本単位の新定義が発効し、国際キログラム原器に基づく定義が廃止されました。

2019年5月20日、国際単位系（SI）の新定義が正式に発効しました。これにより、従来の国際キログラム原器に基づく定義は廃止されました。新しいキログラムはプランク定数の固定値に基づいて定義され、再現性と安定性が大幅に向上しました。さらに秒、アンペア、ケルビン、モル、カンデラなど全7基本単位が定数に基づく定義へと移行しました。これにより精密計測や科学技術研究の基盤が強化され、国際的な整合性が確保されました。

2019年国際単位系国際キログラム原器キログラム