1962年

マーキュリー計画: アメリカで有人宇宙船「マーキュリー・アトラス6号」(フレンドシップ7)を打上げ。アメリカ初の有人地球周回飛行に成功し、ソ連の宇宙開発レベルに追いつく。

1962年2月20日、マーキュリー・アトラス6号(フレンドシップ7)が打上げられ、アメリカ初の有人地球周回飛行に成功しました。
マーキュリー計画はアメリカの有人宇宙開発計画で、ソ連に対抗する冷戦下の重要プロジェクトでした。 アトラスLV-3Bロケットで打ち上げられたマーキュリー・アトラス6号にはジョン・グレン飛行士が搭乗しました。 2月20日、グレンは約4時間55分の飛行で地球を3周し、安全に大西洋上に着水しました。 この成功はNASAの技術力を世界に示し、アメリカの宇宙開発競争を大きく前進させました。 以降のジェミニ計画やアポロ計画への布石となりました。
1962年 マーキュリー計画 マーキュリー・アトラス6号
1965年

レインジャー計画: アメリカの月ロケット「レインジャー8号」が静かの海に着陸。月衝突前に月面地表を7137枚高解像度撮影し、NASAに写真を送信した。

NASAの無人月探査機レインジャー8号が静かの海への着陸前に7137枚の高解像度月面写真を撮影・送信したミッション。
レインジャー計画は1960年代初頭に始まったアメリカの月探査計画で、無人機による月面撮影を目的としたものです。 1965年2月8日に発射されたレインジャー8号は、月への到達までに正確な軌道制御を行い、2月20日に静かの海付近で月面に衝突しました。 衝突前の数分間で搭載されたカメラを稼働させ、高解像度の写真を合計7137枚撮影し、データを地球に送信しました。 これらの写真はアポロ計画における着陸地点選定や地形解析に大きく貢献し、月面探査の技術向上に寄与しました。 本ミッションは成功率の高い無人探査機の運用方法を確立し、以降の宇宙開発計画における先駆的な役割を果たしました。
1965年 レインジャー計画 レインジャー8号 静かの海 NASA
1983年

宇宙科学研究所がX線天文観測衛星「てんま」を打上げ。

1983年、宇宙科学研究所がX線天文観測衛星『てんま』を打ち上げたミッションです。
宇宙科学研究所(ISAS)は1983年2月20日にX線天文衛星『てんま』を鹿児島宇宙空間観測所から打ち上げました。 小型衛星『てんま』は質量約240kgで、薄膜集光鏡やX線検出器を搭載し、銀河中心部や超新星残骸からのX線を観測しました。 観測データは宇宙の高エネルギー現象解明に貢献し、日本独自で運用した初期のX線天文衛星として評価を受けました。 打ち上げ成功により国内外の天文学研究者との共同観測が加速し、後続の天文衛星計画への基盤が築かれました。 衛星は約13か月にわたり運用され、多数の論文発表や学術成果を残しました。
1983年 宇宙科学研究所 てんま
1993年

文部省宇宙科学研究所がX線天文観測衛星「あすか」を打上げ。

1993年、文部省宇宙科学研究所がX線天文衛星『あすか』を打ち上げたミッションです。
1993年2月20日、文部省宇宙科学研究所(現ISAS)が開発したX線天文衛星『あすか』をM-3SIIロケットで打ち上げました。 衛星には高感度なX線CCDカメラやガスシンチレータ検出器が搭載され、銀河団やブラックホール候補の観測を行いました。 『あすか』による観測は宇宙の高エネルギー現象解明に貢献し、日本のX線天文学の躍進を後押ししました。 国際共同プロジェクトとしてアメリカや欧州の研究機関とも連携し、観測データの共同解析が進められました。 ミッションは2000年まで継続し、多数の科学論文を残し、日本の宇宙観測技術を世界に示しました。
1993年 あすか